初代介助犬ニッキーと2代目介助犬アルファとの、ささやかにしあわせな日々。
黒い毛…
 梅雨の晴れ間の日曜。
 エアコンのフィルターを引っ張り出して洗った。といっても、椅子の上に乗ってエアコンのカバーを開けていじるなんてことは、私にはできないので、母が来てやってくれた。
 最近は、自分でフィルターの掃除とかやってくれる賢いエアコンさんもおられるようだけど、うちの子はそういう優等生(高級品)ではないので、季節の変わり目ごとに手入れが必要になる。

 寝室のエアコンは、毎日ニッキーの写真とお骨の前でお香を焚くから、お香の煙や細かい灰も吸い込んでいたようで、すごいことになっていた。
 そして、居間のエアコンは…。

 一通り終わって、フィルターを元に戻してから、ふとテーブルに目をやると、黒い毛を発見。

[写真]

 母の服にブラックデビ子(黒猫)の毛がくっついてきたのかと思ったけど、触ってよく見てみると、猫の毛でも人間の毛でもない。
 犬の毛。黒い犬の毛。ラブラドールの毛。
 多分、ニッキーの毛。

 あっちに逝ってしまって2年以上経つのに、こんなところに抜け毛が残っていたんだね。2年と数か月で、ニッキーがいない生活に慣れていたつもりなのに、懐かしくて涙ぐんだ。
 アル吉は静かに近づいてきて、マズルの横をそーっと私の手に押し当てる。「ぼく、一緒にいるからね、大丈夫だからね」というサイン。
 アル吉、ありがとう。優秀な後継者の君がいるから、私は大丈夫だし、きっとニッキーも安心しているよ。

 これまで不思議と、ニッキーの誕生日と命日とお盆には、黒い毛がどこからか現われた。私はクリスチャンなのにお盆? と内心突っ込んだら、律儀にクリスマスにも黒い毛が(笑)
 現象には必ず理由がある(byガリレオ)。部屋のどこかにニッキーの毛がまだ残っているはずだ。でも、ニッキーの使っていたブランケットも現役時代のハーネスやその他の道具も洗ってしまってあるので、そこに抜け毛が残っているとは思えない。
 どうやらエアコンの中だったらしい。それ以外にも引き出しの中とか、いろんなところにありそうだ。

 エアコンの中に残っていたニッキーの毛が、誕生日と命日とお盆とクリスマスに「偶然」ふわりと飛んで、テーブルの上のような私にもすぐ分かる場所に落ちたのには、きっと「必然」もあると、私は信じている。
 ニッキーは、私と、そしてアルファと、何らかの形で今もつながっている、と。
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写真

 さる事情で、さるお方に頼まれて、写真撮影。
 母上が来たときに、ついでにコンデジを渡して撮ってもらっただけで、後ろにテレビの横顔とかが映ってるけど、それでもかわいいうちのアル吉。

[写真]相棒のひざに頭を載せたアル吉、白黒写真。

「犬の愛情表現」の説明写真のひとつになるらしい。
 アル吉得意のあごのせポーズは、愛情や信頼の表現。ありがとう。

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Happy 4th of July!

 FBのタイムラインに「Happy 4th of July!」の文字があって思い出した。アメリカは独立記念日だ。
 13年前と12年前のその日は、アメリカにいてニッキーと過ごした。懐かしい記念日。

 せっかくアメリカにいるんだから、アメリカらしいお祝いを楽しもうと思っていたけど、まだ基礎訓練中だった1999年は、こう言われた。
「ニッキーは今年初めて独立記念日の花火を経験するから、どういう反応をするか分からない。だから、ユキも一緒に、家にいた方がいいと思う」
 何事にも他の犬よりオーバーに反応するニッキーを心配してくれたインストラクターの助言。でも、意外にも(?)ニッキーは花火の音を気にせず熟睡していた。

 2000年の時は、仮免をもらってそれなりに介助犬らしくなっていたニッキーに、星条旗柄のリーシュをつけ、私も星条旗のTシャツを着て出かけた。
 日本人と日本の犬である私とニッキーは、日本では夢が叶えられず、アメリカに来るしかなかった。そして、アメリカで私たちを受け容れてくれた人たちのお陰で、その夢は実現しようとしていた。

 外国人の私と、エナジーレベルの高い犬だったニッキーを受け入れるかどうか、訓練所の人たちも迷ったらしい。「成功するかどうかは分からない。でも、チャンスは与えよう」といういかにもアメリカらしい理由で、ドアは開かれた。
 車椅子でどこにでも行ける。訓練犬のニッキーも一緒に、移送サービスのバンに乗れる、訓練が進めばバスにも飛行機にも乗れる。そんなアメリカならではのバリアフリーな環境にも助けられた。
 私とニッキーはそんなアメリカが好きだったし、与えられたチャンスと環境に感謝していた。だからその日、日本人と日本の犬は、星条旗を身につけて、アメリカ人と一緒になって独立記念日を祝った。

[写真]ツーソンにて、ニッキーと。

[写真]ツーソンにて、ニッキーと。

 写真は、4th of July当日じゃないけど、星条旗シャツを着て、なぜかバス停で撮っているもの。確か、ニッキーを撮影していたら、知らないおじさんが「撮ってあげよう」とシャッターを押してくれた。田舎町ツーソンは、そんな親切な人が多かった。

 アメリカでチャンスと環境に恵まれ、優しい人たちに助けられ、相棒ニッキーと共に、日本では感じたことのなかった自立を感じたことも思い出す、Independence Day。

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ラッキー?

 この間、買い物をしたらおつりが333円だった。意味もなくラッキーな気がしてにんまり。
 昨日の午後時計を見たら、3時33分。そして夜、何となくネットを見ていたら、偶然開いたページにある数字が3づくしだった。33件、33ポイント、33位、カウンタが3333…みたいな感じ。

 不思議なこともあるもんだ。

 エンジェルナンバー、というのがあると、前に友人に教えてもらった。偶然以上の確率で、同じ数字に何度も出会うときは、天使からのサインなんだとか。うーん、ひじょーに非科学的な話だけど、そういう考え方をすると、ちょっと前向きになるね。
 調べてみたら、エンジェルナンバーでは、どんな数字でもポジティブに「いろいろあるけど、とにかくあなたはそれでいい」的な意味になるらしい。凶がないお正月のおみくじみたいなもの? 弱り気味の私にはちょうどいいかも。

 ともあれ、同じ数字ばっかり短期間にこんなに見るのは、珍しいには違いない。
 どうせなら、本当にラッキーなサインだといいな。

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今日のスナップ

 梅雨入りしたらしいけど、今日はとってもいい天気。ちょっと暑いくらいだった。

 お昼ちょっと前に某駅に行った。例のツバメの巣をよく見たけど、下から見てもしっぽは見えない。
「この暑いのに、出かけてるの?」と言ったら、ちょうど答えるようなタイミングで、ツバメが巣から顔を出してくれた。

[写真]巣の中にいるツバメの横顔。[写真]ツバメの横顔アップ。画像を明るく補正してみた。
 今日は携帯電話だけじゃなくて、ちゃんとデジカメを持っていたので、ツバメの横顔を撮影。
 日数を計算してみると、多分もうひながいると思うけど、まだおなじみの、口を開けたひなの合唱は見られない。がんばって無事に巣立って欲しいな。

 せっかくデジカメを持っていったので、アルの写真も撮ってみた。

[写真]後ろ足で立ち上がって、信号の歩行者用押しボタンを鼻で押すアルファ。
 交差点で、歩行者用の押しボタンを探してプッシュ。
 働く男の後姿。

「ベストは着けてるけど、パンツは履いてないんだぜぇ〜。
 ワイルドだろぅ〜?」
 てな台詞が頭をよぎったけど…。

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夏服

 6月、アルファも衣替え。

[写真]黒いベストを着けたアル吉。

 いつものハーネスよりも軽くて、身体を覆う面積の少ないベストを着けて出かけた。
 ハーネスもかなり軽いものを使っているけれど、時々ハーネスとアルファの背中の間に手を入れると、あったかい。夏の間はこのハーネスだと暑いと思って、介助犬もクールビズ。

 車椅子の私が歩けるのは舗装されたアスファルトの上。照り返しを低い位置で受ける犬にとっては辛い場所だ。普通なら犬の散歩を避けるような時間でも、介助犬は一緒に来てくれる。だから少しでも無理がないように、負担が少ないように…と私も気を遣う。
 もっと暑くなれば、いつもは歩く道でもバスやタクシーを使ったりもする。
 ハーネスを着けていれば、傾斜のある場所で簡単にアルファに車椅子を引っ張ってもらうこともできるけど、夏用のベストだとできない。段差やスロープで車椅子につけた紐をくわえて引っ張ってもらうことはできるので、深刻には困らないけど、ちょっと不便。

 それでも、大切な相棒のためにできることはしてあげたい。
 どんなに暑くても、アルは嬉々として一緒に歩いてくれるから。

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ひざ掛け

 ソファに置いておいたひざ掛けを、いい加減しまおうと思って干した。

 冬、あまりに寒くてクロゼットからこのひざ掛けを引っ張り出したら、ニッキーの黒い毛がついていた。ただの抜け毛なのに、愛しくてひとりで泣いた。それから洗うこともできずに、ソファに出しっぱなしにしていたひざ掛け。
 いつの間にか、黒い毛はどこかに行ってしまったらしい。淋しいな。

 でも。

 私がひざ掛けをたたもうとしているとアルファがやってきて、一生懸命鼻を押しつけて、ずっと匂いをかいでいる。
 以前、ニッキーが最後に着けていた首輪にも、同じようにしていたアルファ。
 きっとアルファにはまだ、古いひざ掛けにニッキーの匂いが感じられるんだろう。そしてアルファは、ちゃんとニッキーのことを覚えているんだろう。

 ニッキー。
 今はもう、触れることもできない、大好きなニッキー。
 この先何年経っても、私とアルファは、君を覚えているよ。

 ニッキーが遺してくれたものを、これからも、私とアルファは時々見つけるんだろう。
 それは、黒い抜け毛だったり、思い出の中にある気づきだったり、時が経ってから分かるメッセージのようなものだったり。

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友達のこと

 この間の某有名ホールでのイベントは、大学時代の友人の追悼イベントだった。

 昨年亡くなった鈴木信夫くん、あだ名は「でゅらりん」(デュラン・デュランが好きだと言ったら命名された)、職業は「詩人」。
http://home.catv.ne.jp/dd/nobuo/
http://news.kanaloco.jp/localnews/article/1103140067/
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20120514-00000022-kana-l14

 余命宣告される気持ちは、私には分からない。
 サークルの仲間として一緒にばかなこともやりつつ、彼はきっちり先を見て生きていたという印象がある。
 身体が動かなくても仕事ができるように、できれば在宅で働けるように、とプログラミングを学んで(今ほどメジャーな職業ではなかった)、希望通りプログラマとして在宅で仕事をした。その後詩作を始めて、本を出したり、歌詞を書いたり。

 いつも「これから何をするか、どうすべきか」を考えていたんだろうな。
 身体が動かないなら、それでも仕事ができる技術を。
 就労ができなくなっても、人の中にずっと残る仕事を。

 余命宣告を受けた人が、「未来」を見据えている。

 でゅらりんの母、略してでゅらははが言う。
「相田みつをだって、金子みすゞだって、有名になったのは亡くなってからよ」
 別に、息子を有名にしようとか、来年は鈴木信夫カレンダーを作るとかいう意味じゃなく、詩というものが長く残り、時には世の中が変わったときに評価される、そんなものだと言いたかったんだろう。
 そういう仕事を選び、願いどおりたくさんの詩作を残して、友は逝った。

[写真]2004年、友人たちと。
 写真は、2004年に集まったときのもの。呼吸器をつけているのがでゅらりんこと鈴木くん、後ろに立っているのがでゅらはは。ニッキーも一緒だったけどMくんの後ろに寝ていて写ってない。

 イベントが終わって、久しぶりに学生時代の友人たちと話した。追悼イベントに集まったメンバーと、偶然同じ場所で別のホールのクラシックコンサートを聴きにきていた先輩が合流。
 未だにふらふらしているのは私ぐらいで、みんなそれぞれしっかり生きてるので、自己嫌悪の嵐だ。でも、友人たちの近況を聞いて、「他人がどう思うか」なんてことを気にする必要はないな、と思わされたりした。

 私の原点、というより人生の転機第1回の、大学時代に想いをめぐらす。
 友達に恵まれたことに感謝。

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もうすぐ!

[写真]日食めがねをかけたアルくん。

 日食観測の準備はばっちり。
 いい天気になりますように。

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仕事中に…

  いつもと違うタイプの仕事が入って、ちょっと忙しい今日。
 画像を確認しながら作業したいのに、御年10歳の我が家のパソコンは、処理速度が遅くて肝心なところで画像がコマ送りになったりするので、ひじょーに効率が悪い。思わず「あーいらいらするっ!」と呟いた。

 すると。
 よく寝ていると思ったアルファがハウスから立ち上がって、しっぽを軽く振りながら、私のひざにあごをのせた。

 これはアルファの「落ち着いて」のサイン。
 ニッキーが老いてから、ニッキーが転んだり吐いたりして、私がプチパニックを起こしそうになると、決まってアルファが「大丈夫」「落ち着いて」と私のひざにあごをのせた。電話で険悪な言い合いをしても、手を離せない仕事中にセールスがきても、アルファが「落ち着いて」のポーズ。
 繊細なアルくん、いらいら・ぴりぴり・かりかりした空気や、怒りや、険悪な雰囲気が嫌い。穏やかな安定した空気に戻すべく、彼なりに努力する。
 アルのそんなところが、私は大好きだけど…仕事中にこれをやられると、余計に仕事がはかどらなくなるので、ちょっと困る。

 ニッキーは、私が「悲しい」時には必ずそばに来てくれたけど、「怒ってる」時はそっとしておいてくれた。そして仕事中は近づかなかった。
 ニッキーがいた頃はアルファも私の仕事中に近づいてくることはなかったけど、多分それは、ニッキーがアルファを制していたのか、アルファがニッキーの真似をしていたのか、どちらかだと思う。

 こんな時、ニッキーがいなくなったことを、寂しく実感する。
 でも一方で、ニッキーとは違うアルファの個性もいとおしい。

 私より先に初代から2代目の補助犬にバトンタッチした友人が、「パートナーが代わると、新たな展開がある。犬の個性が違うだけじゃなく、人間も影響されていろんな変化があるから」と言っていた。
 足し算じゃなく化学変化のような、人と犬の組み合わせ。

 仕事を邪魔されるのが何より嫌いだった私も、最近は、アルファの「落ち着いて」を受け入れて、気分転換するようになった。
 仕事を中断して、コーヒー1杯。

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