初代介助犬ニッキーと2代目介助犬アルファとの、ささやかにしあわせな日々。
記念日と旧正月
 あけましておめでとうございます。
 えっ、いいんですよ、旧暦のお正月ですから。

 開き直ればこんなもんよ。

 私とアル吉は元気だけど、そろそろ死亡説が流れそうなので、一応一昨日のネタで更新を。

***

 1月29日は、ニッキーとコンビを組んだ記念日。
 でも、16年前のこの日、ニッキーは介助犬でもなければ、しつけのできた候補犬でもなかった。
 オスワリからしつけを始め、ふたりでアメリカに行き、介助犬になるまでの訓練と経験もふたりで積み重ねた。そうやって育てる段階から、最後のひと呼吸を見届けるまで、ニッキーは「私のニッキー」でいてくれた。

 ニッキー、私を選んでくれて、介助犬として生きることを選んでくれて、ありがとう。
 最後の最後まで、私の相棒でいてくれて、ありがとう。
 アルファにしっかりとバトンを渡してくれて、ありがとう。

 ニッキーのお骨と写真の前で、好物の甘い蒸しパンを供えて、ろうそくを灯してロザリオを1環。
 アル吉も何だか神妙な顔をして、ロザリオを繰る私の横でじっとあの大きな骨壷を見ていた。蒸しパンを見ていた…んじゃないよね、ということにしておく。

[写真]2003年、ハーネスを着けて私の車椅子に寄り添うニッキー。花井さん撮影。
| ニッキーのこと | - | - |
懐かしい動画

  去年偶然見つけた、『Partners in Independence』(IAADPが作ったビデオ)の動画。
 盲導犬を中心に取り上げたパート、同じく聴導犬のパートがあって、これは介助犬のパートということになる。

 去年の今ごろこの動画を見つけて、一瞬だけ映るニッキーの姿にびっくりして涙がどっと溢れ、PC画面に向かって何度も名前を呼んだのを覚えている。

 でも、1年経ってもう一度見たら、12年以上前の自分達に、

「右カーブの指示が遅い!」
「腕を動かさないで!」
「ニッキー、もっと右に寄って! 前に出て!」

 と、なぜか自分で駄目出ししてしまった。
 ちょうど、当時苦手だった右カーブで動きが合わなくなっている姿が、運悪く撮影されてしまったのだった。

 あの時、ホテルのふかふかカーペットのお陰で右カーブの問題がはっきりしたところだった。よその協会の知らないトレーナー達がアドバイスしてくれた。
 もちろんまだ訓練中だった私とニッキーもお互いに未熟だったんだけど、ハーネスを変え、私の指示のタイミングとか腕の使い方を変えたら、すいすい動けるようになった。それを見て、見守っていてくれたよその協会のトレーナーや先輩ユーザーたちも喜んでくれた。

 日本から犬連れでやってきた留学生、という珍しさもあって、協会の枠を超え、いろんな人が助けてくれた。決して仲のよくないふたつの協会の人たちが、一緒になって助けてくれたこともある。
 恵まれてたなぁ、幸せだなぁ、と思う。

 ふたりで試行錯誤のトレーニング、楽しかったね、ニッキー。
 去年は泣いてたけど、今年は楽しかったことを思い出して、笑ってるよ。

| ニッキーのこと | - | - |
ありがとう
 まだここを覗いている奇特な方があれば…ご無沙汰しています。
 ネット以外でも交流がある方や、SNSで交流のある方には、昨年お知らせしましたが、1年が経ち、改めてここでも報告させていただきます。




 2011年3月30日、最愛のニッキーが逝きました。15歳2ヶ月29日でした。

 寝たきりだったのは最後の3日だけで、それまでは自分の意思で歩き、食べ、飲み、トイレにも行きました。自分の意思で、私のそばに来てダウンしていました。ぼけることなく、コマンドも理解していました。
 晩年は身体のあちこちに不具合がありましたが、最後は見事「老衰」と診断されました。最後までしっかりと生ききってくれたこと、そして、苦しまずに旅立ってくれたことを、何よりも嬉しく、ありがたく思います。

 ニッキーは、あの穏やかな愛情に満ちた目で、最後まで私とアルファを見つめていました。
「ありがとう。私は大丈夫だよ。安心して、苦しまないで行きなさい」
 もうすぐ死んでしまうと分かっているのに、そのニッキーに触れるだけで私は安心し、暖かい気持ちに満たされました。だから、最後に一度だけ、笑顔を見せてあげられたのだと思います。
 ニッキーは、その笑顔を見届けて少ししてから、静かに堂々と旅立っていきました。

 悲しいけれど、いつかは旅立つ日が来るのなら、避けられないのなら。
 ニッキーは「とてもいい旅立ち」をしてくれたと思います。優しいニッキーの、それが私への気遣いだったのでしょう。

 私との時間は、13年2ヶ月2日。

 誰よりも信頼し、誰よりも私を信頼してくれた、最愛の相棒でした。
 一度も私を裏切ることなく、時に身を挺しても私を助けてくれた、最高の介助犬でした。
 ふたりだけの時間と想いを共有し、誰にも分からないところでつながった、特別な伴侶でした。

 この素晴らしいニッキーの、生涯のパートナーであったことを、心から感謝し、誇りに思います。

2002年9月、6歳のニッキーの笑顔。

 ありがとう、ニッキー。
 私は確かに、誰よりも、君を愛しました。
 そしてこれからも、変わることなくずっと。



 私のニッキーを大切に思ってくださったみなさま、ありがとうございました。
 それぞれに記憶に留めていていただければ、ニッキーが存在した証があるということ。私にはそれが、とても嬉しいです。

 アルファは元気です。
 ニッキーの旅立ちを、私と一緒にいちばん悲しんでくれたのは、アルファだったかもしれません。それほど、ニッキーを失ったアルファは元気をなくしました。
 私より早いペースで元気を取り戻しながら、介助犬としても、大先輩のいないところでひとり立ちしなければならず、この1年間は本当に頑張ってくれました。もちろん、すでに充分な仕事振りではあったのだけれど、やはりニッキーの存在が大きかったようです。

 ニッキーの最後の仕事は、私を任せられる後継者を育てることでした。ニッキーが今のアルファに満足しているかどうかは分かりませんが、私がアルファを信頼していることは確かです。




 最後の日々のこと、その後のこと、これからしばらく書くかもしれません。
| ニッキーのこと | - | - |
名案

 ごはんを食べながら、足を滑らせて転んだり座り込んだりすることが多くなってきた最近のニッキー。
 介護用ハーネスをつけて支えるとか、犬用の車椅子を室内で使うとか、私も対策をいろいろ考えていた。でも今日は、もっとシンプルな方法を発見。

 今朝ごはんを用意したら、ニッキーはいつもの場所じゃなく、キッチンのマットの上に、シンク下のキャビネットを背にして座った。いつもの場所に行くように指示しても、お皿を持って誘導しても、そこに座ったままがっちりアイコンタクトしてくる。
 このマットはでこぼこしていて、足が滑りにくいし、お尻をキャビネットにつけてしっかり座っているから、姿勢が崩れてしまうこともない。久しぶりに転ぶことなくごはんを食べられて、ニッキー満足そう。
 まあ、多分偶然そこに座ったんだと思うけど。でももしかしたら、過去にそこに座った時の記憶から、ニッキーが本当に考えついたのかも…と、私はちょっと思っている。

 そういえば現役時代、ニッキーに足まで覆う抜け毛防止のコートを着せたら、某所のつるつるの床の上に座る時、お尻が滑って困った。ニッキーは同じ状況を3度経験し、点字ブロックにお尻を乗せて座ると滑らないことを偶然発見。
 それからは毎回、点字ブロックにお尻が乗るように座った。他の場所でもつるつるで点字ブロックがあれば同じことをしていた。私もシットの指示を出す前に、ニッキーが点字ブロックにお尻を乗せられる位置にさりげなく移動したりして。
 ニッキーがこの経験と学習したことを覚えていたなら、それを思い出して応用したってことも考えられる…でしょ?

[写真]抜け毛防止コートを着たニッキー、8歳ごろ。

 車椅子を動かすのには邪魔だけど、ニッキーのために、ごはんを食べる場所やお気に入りの昼寝場所にはカーペットを敷いてあげよう。うん、決めた。

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ぼけてない

 食べ方が不器用になった最近のニッキー。小さい食べ物を口から落としてしまうし、お皿の周りに水をこぼす量も増えた。こんなところにも老いは来るんだね。

 今日、私の手からおやつにフードを食べていたら、少しこぼしてしまった。ニッキーは床に落ちたフードを反射的に拾おうとして、ちょっと動きを止めた。
 落ちたフードと、私の手の中に残ったフードを見比べて、手の中のフードの方が多いと分かると、まずそっちを完食。それから床に落ちたフードを全部拾って食べた。
 落ちたフードを欲しそうに見つめていたアルファは、ニッキーがちらっと視線を送っただけで素直に引き下がった。

 うん、まだまだぼけてない。そして後輩を従わせる威厳も充分。
 どんなに不器用になっても、中身が元気ならそれでよし。長生きしてね、ニッキー。

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駆けつける気持ち

 久々にやってしまった。車椅子ごと転倒。
 室内とパティオをつなぐスロープを登る時にバランスを崩し、2年ぶりに車椅子ごと後ろにひっくり返って、アスファルトに後頭部をごーん! いや、実際には「ごーん」じゃなく「ばんっ!」。スロープの下に向けて勢いよく倒れたので、車椅子から思いっきり投げ出された。
 痛かったけど、痛みよりも1に網膜はく離、2に頚椎症が心配。転んでからみぞおちがきゅーっとする不安を感じた。
 網膜はく離や頚椎症を起こしやすい身体(CPとROPだもんね)だから、転倒には気をつけないとならないんだけど、気をつけたって転ぶ時は転ぶ。転んでから落ち込んでもしょうがない。とにかく首をひねらないように頭を振らないように、気をつけてゆっくりと起き上がる。
 そして、その時。
 ハウスで寝ていたニッキーさんが、よたよたしながら私のところに来ようとしているのに気づいた。全ての動作がゆっくりになってしまった老犬なりの大慌てだった。

 駆けつけてくれたところで、今のニッキーには車椅子を持ってくることも私を助け起こすこともできないけど、そんなことはどうでもいい。
 私だって、ニッキーが倒れた時に抱き上げてはやれないけど、駆けつけずにはいられないだろう。すっかり足腰が弱ったニッキーも、何ができるとかできないとかは関係なく、現役介助犬のアルを押しのけてまで(アルも心配そうに見ていたけど、先輩の気持ちを察して道を譲った)、私のそばに来ようとしてくれた。気持ちは同じだ、きっと。
 ありがとう、「介助犬」ニッキー。老いても気持ちは生涯現役。君の相棒でいられてよかった。

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スイカ大好き

 8月中にもう一度食べさせてあげようと、ニッキーの大好物、スイカが登場。
 大きな一切れを前に記念撮影してから、いただきまーす。
[写真]スイカとニッキー。[写真]「いただきます!」

 この後、包丁で切り分けてアルファも食べた。ニッキーが口をつけていない部分を、私ももらった。「家族でスイカ」は夏の基本(?)。
 引退したばかりの夏、何となく差し出したら嬉しそうにばくばく食べたスイカ。以来ニッキーさまの好物ベストスリーに入る。夏しか食べられない大好きな味覚、おいしかったね。
 どうかニッキー、来年も一緒に、スイカをおいしく味わってください。そしてできれば…来年は、落ちた種まで意地汚く拾って食べないように!

 猛暑の夏を元気に過ごしてくれて、ありがとう。
 そんな想いで分け合うスイカは、真っ赤で甘かった。

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卒業10周年
 引き続き腰痛の私。でも在宅の仕事で時間もそこそこ自由になるから、今日も仕事はしている。痛いときは黙って我慢するより「ぎゃー!」でも「わー!」でも声を出した方が痛みが飛んでいきそうな気がして、遠慮なく声を上げて痛がることにした。
 アルファは相変わらず私を気遣って、てきぱきよく仕事をしてくれる。腰痛も4日目、今日はニッキーまで、仕事中に落としたメモを拾ってくれた。引退しても、相棒が大変な時は手伝ってくれるんだね。
 耳が遠くなり、やりたい放題の引退生活を謳歌している今は、コマンドを言っても反応しないこともある。でも今日は、何やら相棒が大変だと感じたようで、「カム」にも「ステイ」にもきちんと従ってくれる。
 それはありがたいけど、ニッキーさん。お腹のあたりにぷらんぷらんぶら下がっている老人性…じゃなかった、老犬性のイボから出血しているのが気になるので、仕事は後輩に任せて、おとなしく寝ていてください!!

[写真]今日のニッキーさん。

 今日はそんなニッキーさんが、アメリカで最終試験に合格して介助犬になった記念日。10年前、介助犬として一犬前になったニッキーと共に、私もそのパートナーとしてようやく一人前になったと、信頼する先生や仲間たちに認めてもらえた日。
 それ以来ずっと、ニッキーと私はお互いに支えあう相棒同士。ニッキーは、10年前に「楽しい遊び」として教わった「仕事」を、今でも楽しくやろうとしてくれる。後輩にハーネスを譲っても、いちばんの基本である私たちの関係は変わっていないから。
 10年間、ずっと相棒でいてくれてありがとう。

[写真]スイカを見て、無意味にぐるぐる回るニッキーさん。[写真]母上の手からスイカをもらうニッキーさん。
 大好物のスイカでお祝いだよ。
 スイカの匂いでテンションが一気に上がったニッキー、この元気が何より!
| ニッキーのこと | - | - |
今年も折り返し
[写真]唇が床に広がり、カモノハシのようになったニッキー。

 お得意のカモノハシポーズで、いちばん好きな場所に寝ているニッキーさん。1月1日生まれだから、もう14歳6ヶ月だね。
 14歳前半、無事終了。後半も元気でいてください。

[写真]カモノハシポーズ、アップ。

 それにしても…リラックスしてるなぁ。
 2枚目の写真は、床にカメラをつけて撮影。
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コーヒーが…
 この間、私が仕事をしているテーブルの足元に、おとなしく横になっていたニッキー。そのうち本格的に寝て、レム睡眠に突入。手足がぴくぴく動き始めた。
 全力疾走の夢でも見ているのか、ニッキーさん全身を伸ばして手も足も大きく動かした。肩の辺りがテーブルの脚に触れていたから、その動きでテーブルが揺れ、カップになみなみと入っていたコーヒーが、テーブルにぶちまけられる。
 あーあ、やっちゃった…。
 この時の経験で学習した私は、コーヒーを飲む時は、いちばん大きなモーニングカップに、6分目ぐらいしか入れないことにした。

[写真]黒ラブが座ったイラストのついたモーニングカップ。
* 我が家でいちばん大きなカップ。ニッキーのイラストはKEIKOさん直筆。

 今日、仕事を終え、人間と犬たちの夕食を終え、シャワーを浴びて、後は寝るだけのリラックスタイム。私はいつもの大きなカップに、いつもどおり6分目のコーヒーを淹れた。
 1日の最後に飲むコーヒー。ああ、小さなしあわせ。
 その時ニッキーがやってきた。コーヒーの香りを楽しむ私を1歩下がってじっと見ている。そして、私がコーヒーを飲もうとカップを右手に持った時、ちょうど狙ったように、突然私の右腕に頭突き!
 ニッキーのおなじみ「撫でてください攻撃」だけど、このタイミングでやられたら、私はまたまたコーヒーをぶちまけてしまった。
 あーあ、またか…。

 ニッキーは(もちろんアルファも)、私が仕事や家事で忙しそうな時は、近くに来ても静かに伏せている。大抵はそのまま熟睡する。私の表情や雰囲気から、忙しいかゆっくりしているかを判断しているようで、夜のコーヒータイムには遠慮なく「撫でてください攻撃」が炸裂する。
 邪魔をしないで静かに寝ている時と、思い切り甘えていい時を、ちゃんとわきまえているニッキー。でも、寝ていても頭突きをしても、同じようにコーヒーをぶちまけた。
 結局大差ない…よね?
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